1/18 (土)
昨夜、深夜まで一人で色々考えてみた。
体調不良という大義名分があるから、試験を受けなかったことは太郎にとってもマイナスでは無いだろう。
そもそも昨夜のあんな状態で試験が受けられる訳も無いし。
でも、もし元気になって試験を受けた結果、不合格だったらどうすればいいのか。
などと考えてながら夜中に何度も太郎の寝汗を確認したが、普段の風邪の時とは様子が明らかに違う。
全く寝汗をかいていないのだ。
いつもならば寝汗びっしょりで夜中に数回着替えと水分補給をさせていたのだが、今回は全く汗をかかない。
寒がっていたので何度も布団を首までかけ直して朝を向かえる。
寝起きの顔つきを見る限り、いつもと同じ様子だ。
『よく眠れたか?』
「うん」
『具合は?』
「悪くないかな」
『入試、休んでもいいぞ』
「いや、大丈夫だよ」
『無理するなよ、休め』
「受けるよ」
『本当か?』
「ああ、受ける」
『分かった、じゃあ塾長に連絡するするな』
かなり早い時間だが、激励に向かうのなら逆算してもギリギリだろうから急いで塾長に連絡をした。
塾長は既に電車の中みたいで手短に受験する旨を伝えた。
多分山を貼って動いていたのだろう。
万が一、太郎が試験中に何かあった場合、私では糞の役にも立たないから試験には妻が同行した。
よって試験会場の様子は分からないが、保護者の呼び出しが放送される度、太郎の名前が呼ばれるのではとハラハラし続けたらしい。
妻の心配は杞憂に終わり、無事に試験も終了した。結果は明日の午前に発表とのこと。
その夜に妻と話し合ったが、こんな状況で試験を受けただけで充分満足できた。
合否の結果など、もうどうでもよく思える事がお互いの感想になっていた。
1月の埼玉校はこの栄東のB 日程で終了だ。
2月の本命校がまだ控えているのだが、妙なやりきった感が満ち溢れていて、久しぶりに家族三人揃って笑顔の状態で夕飯の食卓を囲んだ。