お待たせしました。
詐欺の話が思っていた以上に長引いたので、
これから太郎の埼玉校の受験についてお話しします。
では時系列順に私の日記風に記していきますね。
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1/1 (水)元日
元旦から太郎は塾があるため朝は7時半に起こした。
妻が昨夜遅くまで作っていた御節料理がテーブルに並んでいた。
これだけ作るのには相当時間が要するだろう、と心の中で感謝を述べる。
家族そろって新年の挨拶をし、私はビデオカメラを押し入れから引っ張り出した。
まだ太郎が小さい頃はしょっちゅうビデオカメラで太郎の成長を記録していたが、
段々カメラを録る機会も減り、いつしかカメラを向けると顔を隠すようになったので、
ずーっと押し入れのすみに追いやられていたのだった。
まだ半分寝ぼけている太郎の前に私は座りカメラを回した。
『なぜにカメラ?』と太郎が聞く。
私は「太郎が小さい時の映像はたくさんあるが、年齢が上がるに連れて少なくなっている。だからこれから毎年、正月ぐらいは記録として残すから何か喋れ」
と言った。
『いきなり喋れって言われても』
妻も太郎も、私の突飛な行動に訝しがっている。
「じゃあ、後9日で埼玉校の受験が始まるから自分の気持ちとか、心意気でいいんじゃない」
と、妻から助け船が出て太郎は話し出した。
『冬休みに入って毎日塾で過去問をやっています。合格者平均点ぐらいは取れているのでこのまま頑張ります。』
久しぶりのカメラの前でなぜか敬語で話す太郎。
毎年正月は家族揃っておせち料理を食べる。
その時にお年玉を渡すが今年は受験が全て終わってから渡す約束をした。
太郎のお年玉は毎年2000円あげている。
お年玉2000円に12月文のお小遣い1000円を足して3000円が太郎に渡す金額だ。
おじさんやおばさんからはもっと高額なお年玉や小遣いをもらっているが親の私は2000円しか渡さない。
「試験の合格のにつき、ボーナス1000円プラスしてあげるよ」
『えっ、マジ?だったら3校受けるから全部受かればプラス3000円?だったら合計で6000円だ!』
「違うよ、3校だけど1校で2回か3回試験があるだろ?だから受けたやつが全部受かれば一万円ぐらいになるんじゃないか」
『すげー、一万円かー何買おうかな!』
凄いな、全部受かるつもりでいるのか。
お腹一杯になり、それぞれ自分の事をやり始めた。
妻は家族に電話し、太郎は録画しておいたピタゴラスイッチを観ている。
私は朝からビールを飲んだのでこたつに潜って横になった。
気が付くと妻はパートに出掛けており、太郎は正月特訓が9時半からなので一人で出掛けていた。