1/14 (火)
太郎とのやり取りが終わり、一人であれこれ考えてみる。
栄東B 日程は加点があるとはいえ、もしまた不合格だったらどうしようと。
そもそも栄東に通わす気も無いのに受験を薦めた塾長が恨めしい。
最も安請け合いした自分にも責任はあるのだが。
栄東の入試はキャンセルしてもいいんじゃないかと妻と話し合った。
私自身の考えは通うつもりも無いのに無理して受験するの無駄だ。いくら過去問で点数が取れていても試験は水もの。何が起こるかわからない。
現実として準備不足は否めないし、こんなところで不合格の結果を見るのはメンタル的にもデメリット以外のなにものでも無い。
それに対して合格するメリットは何もない。
概ねその考え方には妻も賛同していた。
夫婦の結論としてB 日程は回避することになった。
後は太郎の気持ちを聞いてから塾長に報告するだけた。
今日も学校から帰って直ぐに塾の自習室に行っている太郎が19:30に帰宅してきた。
そこで太郎に栄東B 日程の話を太郎にしてみた。
『太郎、栄東B 日程のことなんだけどな』
「何?」
『お母さんとも話し合ったんだけど、受かっても通うことも無いんだから、試験をキャンセルしようかと思うんだ』
「えっ何で?俺受けるよ」
『だって不合格だったらショックだろ?』
「次は受かるから大丈夫だよ」
『…そうか、取り越し苦労だったな。結果なんか気にしなくていいから頑張れよ』
「任せろよ」
自分が12歳の太郎の立場だったら同じ返事をしていただろうか?
いや、きっと反対の答をしていただろう。
きっと逃げ出していただろう。
若い時からどんなことも楽な方を選んで、真剣なことから逃げてばかりいた。
その結果ツケがまとまって自分に返ってきた。
人生かけて若い時のツケを未だに払い続けている自分の子供がこんなに逞しくなっているなんて。
子供が成長すると同時に親も子供を通して成長させられることを痛感した。
イカン、また涙腺が緩んでしまう。
雨降って地固まるという諺はこういった時にこそ使えるんだなと頭の中に浮かんだ。
栄東のB日程まで後4日。