仮想通貨で中学受験

50過ぎ❨中卒❩トラック運転手が一人息子の私立中学に向けた学費を仮想通貨で捻出を試みるブログです。

Zaifの話  その21

毎日毎日ストップ高の連続で感覚的に完全に狂っていました。


『今日は前場ストップ高か、まあこんなものか』とか、

『あれ、後場に入ってもストップ高にならないのか、買いの圧力が弱いな』などと。

今になってみればどれだけ間抜けだったのか、多分一生涯忘れない体験だと思います。


 一週間の休みなどすぐに過ぎてしまいアルバイトの出勤日が迫っていたので、もう一週間休みを届け出ました。本当はアルバイトなど辞めても良かったのですが、毎日あまりにも暇なので一応何時でも戻られるように伏線を引いて置きました。

 この頃の光通信の株価は七、八万円に到達していたように記憶しております。

 

Zaifの話  その20

ここら辺からは糸の切れた凧のようになって連日株価が上昇していきます。
金銭感覚も次第におかしくなってゆき、最初の頃は数万円の利益が出る度に

『ノートパソコンや大画面テレビが買えるかな?』

とワクワクしていたのに日々の利益が十万円を越え始めた頃には、株価が上がるのが当たり前のような感覚になり、

『なんでストップ高とかあるのかな?これさえなければ一日で四十万以上稼げるのに』

などと常軌を逸した感覚になっておりました。
(ちなみに値幅が4000円は株価が一万五千円以上の時です。ですので単純計算しても購入金額の三倍に膨らんでおりました)

相変わらず株価の上昇基調は変わりませんが、朝昼の食事でファミレスに行く以外、外出しない生活に変わってきました。
金銭感覚の麻痺もありますが、時間の感覚も麻痺と言うよりもズレが生じていたようです。

Zaifの話  その19

仕事もしないでブラブラする事を夢見ていたはずでした。
しかし、いざそんな生活が始まるとちっとも面白く無い事に気付くまで時間はかかりませんでした。
とにかく暇なのです。
十数年間働く事が当たり前になっているのに、あれだけ仕事に行く事がめんどくさかったのに、いざそこからか解放されても時間の使い方が分からずに一日が過ぎていくだけなのです。
 
 浦和競馬場戸田競艇場にも行ってみたものの、全然面白くありません。そもそも株での利益に比べるとパチンコも公営ギャンブルも額が低いので燃えないのです。
大金張れば燃えるかも知れないけれど、そこまでやる気も起きずに飽きてしまいます。人間って不思議なものですね。

 そうしている間にも光通信の株価は順調に上がり続けていきました。
値幅制限も株価が一万円を超えると3000円に増えるので、ストップ高にでもなろうものなら一日で三十万円も利益がでるわけなのです。

 

Zaifの話  その18

光通信の株が一万円を超えたら値幅制限も上がり加速度的に上昇していきます。
買い注文が殺到して場中でストップ高に張り付き商いが成立しない日もでる始末です。

 こうなればもうアルバイトなんかやっている場合ではありません。
だって一日働いたところで一万円しか貰えないのならば、休んで遊んでいた方がよっぽど時間が有効に使えます。
所詮アルバイトなので事前に伝えれば休むのは自由です。
取り敢えず一週間の休みを申し出て夢のような休日がスタートしました。


 朝早く起きる必要も無く、市場が開くちょっと前に起きて新聞に目を通してからファミレスに向かいます。
朝食を取って10時過ぎてから家に帰ります。しかしこれと言ってやることも無くすぐに暇になってきます。
私の家から川越の繁華街までバイクで10分足らずなのでバイクで出掛け、映画を観たりゲームセンターに行ったり、パチンコ屋に行ったりします。

 

Zaifの話  その17

 ついこの前までが3000円台から5000円台をうろうろしていた株価がロケットスタートのように急上昇したのです。
すなわち数週間で資産額が倍になったわけですね。
こうなったらもう仕事の事など一切頭に付かず、起きている間は全て株の事しか考えられなくなりました。
だって50万が数日で100万円になったのですからそれはもう欲望の塊でした。


 当時からパソコンは持っていましたが標準的な性能でも価格は二十万円近くです。ノート型なら三十万円は平気でしていました。
テレビもアナログ放送でブラウン管テレビしか無かったけれど、36型の大画面テレビがPanasonicから発売されており、こちらも三十万円オーバーです。
 この2つを購入しても元金は残るわけですから毎日毎日色んなカタログを見てはニヤニヤしておりました。


 生活にも変化が出始めて、週末になると高速道路を使って一時間強ほど走れば群馬県に行けるので、その近辺まで出向き温泉に入りに行きもしました。
家族や友達などと連れだって温泉に浸かった後はその土地の名産品を食べるようになりました。
まさに典型的な成金でお金を使い方が派手になったのです。