そんな中、学歴不問なのに異常に高い給料、条件と言えば「スーツ着用のみ」だった怪しい求人に即連絡を入れて後日面接に向かいました。
場所は高田馬場から徒歩15分程度に位置している雑居ビルに事務所がありました。
会社というより住居に近い間取りの一室で所長と称する30代くらいの男の人に話を聞いたのですが、給与体系が固定給では無く完全歩合制で職種は物販と教えてもらいました。
それを聞いた瞬間
『あー、そんな仕事俺には無理だわ』
と、思い半分諦めていたのですが、所長曰く
「そんな心配しなくたって大丈夫だよ、うちの仕事って99%は初心者から始めているら、それでダメならすぐに辞めても問題無いからね」
と軽く言われ働く決心をした事を今でも覚えています。
最初の一週間は研修称し、その間は１日３千円が支払われるとの事でした。
交通費は無しで前借りも出来ると教えられて「じゃあ、今日から働いてみる？」と言われ、迷わず『はい！』と即答。
早速詳しい業務内容を聞けば、街を歩いている人にアンケートを取って映画のチケットを売る仕事だそうです。
のちにこの手の悪徳商法は社会問題にもなったのですが、この当時はまだまだ一般的には認知されておらず、
一週の間（実際は月曜日から金曜日の5日間）10時～15時の3時間で客に見立てた所長相手にシミュレーションを繰り返し過ごしました。
