1/13 (月)成人の日
昨晩寝る前に太郎に話してみた。
『なあ、太郎』
「ん、何?」
『あのさ、栄東の国語がダメだっただろ?』
「うん」
『あれさー、かなり緊張した?』
「いや、そんなことないよ」
『今まで俺が緊張しないから平気みたいなことばっかり言っていたけれど、太郎はどうなんだ?』
「俺だって別に緊張してないよ」
『そうかな、さっき過去にやった試験のデータを全部見直したんだげれど、どれも初会場の初っぱなのテストの点数が悪いんだよ』
「んー、確かにその傾向はあるかも…」
『やっぱりそうか、悪かったな、今まで無理させて』
「なんでオヤジが謝るんだよ?」
『俺が普段から緊張しないような事ばっか言っていたから太郎もそれに合わせていたんだろ?』
「んなことねーよ」
『いや、そんなことあるんだよ、俺が最後に受けた試験は40年近く前の運転免許だけだろ?それ以来試験らしい試験は受けていないんだ。』
「それで?」
『あまりにも歳を取りすぎて自分の試験の記憶が全く無いんだよ、だから試験でも何にでも緊張しないってこと自体、自分で勝手に都合良く上書きしていたのかも知れないんだ』
「…」
『だからそんな虚栄を張らせてしまって悪かったな。
もし俺が12歳の時に今の太郎みたいに試験の連続だったら、きっと緊張し過ぎてキンタマ縮み上がってションベンちびっているよ!』
張り詰めていた糸が切れたのか、この一言で大笑いし出した。
調子に乗ってもう一言付け加えた。
『場合によったらウ🌑チも漏らしていたかも(笑)』
益々笑いこけている。
よかった。
しかし少し笑っている時間が長いと思って太郎の顔を見たら大粒の涙がポロポロ頬を伝っていた。
笑いながら泣いていたのだ。
こちらも堪えきれずに涙が出てきたがグッとこらえ、目に涙を溜めて鼻声になりながら
『辛かっただろ、次からは自然体でいいからな』と伝えて部屋を出て、一人布団の中で声をこらえて泣いた。
栄東のB日程まで後5日。