しかし私がそんなものを書く必要があるのか疑問だったので所長に連絡を入れなくてはならない。
公衆電話を使っていいか聞いてみたが、交番の電話を使えとの事。仕方が無いので電話を借りて所長に連絡した。
通話中は訝しい顔をしながら警官が聞いていたが、所長曰わく
『そんなもん始末書にサインすればすぐ帰してくれるから』と言われたのだ。
でもおかしいだろ、無理やり売りつけようとしたのは他の新入りだし、
私は責任者でも何でも無いのに、なんで私が始末書書かなきゃいけないんだよ。
そんな事で時間もかなり経過して、当人の女の方も怒りが収 まったのか、
その後用事かあるのかは分からないが、しきりに時計を見だして早く帰りたそうな素振りをしだした。そして
女『あのー、時間がかかりそうなのでこの件はもういいです、無かった事にして下さい』
警官『おい、お前の粘り勝ちだな』
私『俺は最初から当事者でも無いんだから当たり前でしょ』
そうして無事に開放されたのが19時を過ぎていた。
事務所に戻ったら心配している仲間や所長が出迎えてくれるなんて想像しながら事務所に着くと、
なんと鍵がかかっていて誰もいない!
えーっ、マジ?みんな帰っちゃたの?ひどい、ひどい、酷すぎる!
私は今来た道を非常に重たい足取りで再び駅まで折り返したのだ。